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月末仕掛品の評価(月初仕掛品がない場合)についてお伝えします。
仕掛品とは…
仕掛品とは、文字通り「仕掛かっている品」です。
つまり作業途中の製品ということになります。
個別原価計算
の場合は、製造指図書別に原価が集計されます。
月末の時点で完成していれば完成品原価となり、未完成であれば月末仕掛品原価となります。
これに対して総合原価計算
では、原価計算期間中の総製造費用を生産量で完成品と月末仕掛品に配分して月末仕掛品原価を計算します。
この月末仕掛品原価の計算を月末仕掛品の評価といいますが、評価方法として「先入先出法」「平均法」などがあります(後日詳しくお伝えします)。
月末仕掛品の加工進捗度と完成品換算量
総合原価計算において月末仕掛品の評価を行うためには「加工進捗度」をもとに計算した「完成品換算量」というデータが必要です。
以下詳しく説明します。
加工進捗度
月末仕掛品の評価を行うためには、月末仕掛品1つが完成品1つに対してどれくらいの原価を負担しているのかを計算しなければなりません。
完成品と未完成品(月末仕掛品)が同じ原価のわけがないからです。
一口に月末仕掛品といっても、あと少しで完成する月末仕掛品と今加工を開始したばかりの月末仕掛品では原価も変わってきます。
どれだけ加工が進んでいるのかによって原価も変わってくるということです。
この「どれだけ加工が進んでいるのか」を表す数値を加工進捗度といいます。
完成品は加工が全て完了しているので加工進捗度は100%です。
それに対して全く加工が始まっていない場合は加工進捗度0%です。
半分だけ加工が終わっている場合は加工進捗度50%となります。
完成品換算量
完成品換算量とは、月末仕掛品全体がが完成品何個分なのかをあらわす数値です。
総合原価計算では、原価計算期間中の総製造費用を生産量で完成品と月末仕掛品に配分して月末仕掛品原価を計算しますが、この配分を行うためには完成品と月末仕掛品を同じ単位で計算しなければなりません。
この「同じ単位で計算」を行うためには月末仕掛品全体が完成品何個分なのかを表す数値が必要なのです。
完成品換算量は以下の計算式で求めることができます。
月末仕掛品の完成品換算量=月末仕掛品量×加工進捗度
また、完成品換算量で表した完成品量と月末仕掛品量の合計を期間生産量または完成品換算総量といいます。
期間生産量(完成品換算総量)=完成品量+月末仕掛品の完成品換算量
期間生産量(完成品換算総量)を使うことで、原価計算期間中の総製造費用を完成品と月末仕掛品に配分することができます。
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