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月末仕掛品の評価(月初仕掛品がない場合)

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(月初仕掛品がない場合)

月末仕掛品の評価(月初仕掛品がない場合)についてお伝えします。

仕掛品とは…

仕掛品とは、文字通り「仕掛かっている品」です。
つまり作業途中の製品ということになります。

個別原価計算 の場合は、製造指図書別に原価が集計されます。
月末の時点で完成していれば完成品原価となり、未完成であれば月末仕掛品原価となります。

これに対して総合原価計算 では、原価計算期間中の総製造費用を生産量で完成品と月末仕掛品に配分して月末仕掛品原価を計算します。
この月末仕掛品原価の計算を月末仕掛品の評価といいますが、評価方法として「先入先出法」「平均法」などがあります(後日詳しくお伝えします)。

月末仕掛品の加工進捗度と完成品換算量

総合原価計算において月末仕掛品の評価を行うためには「加工進捗度」をもとに計算した「完成品換算量」というデータが必要です。
以下詳しく説明します。

加工進捗度

月末仕掛品の評価を行うためには、月末仕掛品1つが完成品1つに対してどれくらいの原価を負担しているのかを計算しなければなりません
完成品と未完成品(月末仕掛品)が同じ原価のわけがないからです。

一口に月末仕掛品といっても、あと少しで完成する月末仕掛品と今加工を開始したばかりの月末仕掛品では原価も変わってきます。
どれだけ加工が進んでいるのかによって原価も変わってくるということです。
この「どれだけ加工が進んでいるのか」を表す数値を加工進捗度といいます

完成品は加工が全て完了しているので加工進捗度は100%です。
それに対して全く加工が始まっていない場合は加工進捗度0%です。
半分だけ加工が終わっている場合は加工進捗度50%となります。

完成品換算量

完成品換算量とは、月末仕掛品全体がが完成品何個分なのかをあらわす数値です。
総合原価計算では、原価計算期間中の総製造費用を生産量で完成品と月末仕掛品に配分して月末仕掛品原価を計算しますが、この配分を行うためには完成品と月末仕掛品を同じ単位で計算しなければなりません。
この「同じ単位で計算」を行うためには月末仕掛品全体が完成品何個分なのかを表す数値が必要なのです。

完成品換算量は以下の計算式で求めることができます。

月末仕掛品の完成品換算量=月末仕掛品量×加工進捗度

また、完成品換算量で表した完成品量と月末仕掛品量の合計を期間生産量または完成品換算総量といいます。

期間生産量(完成品換算総量)=完成品量+月末仕掛品の完成品換算量

期間生産量(完成品換算総量)を使うことで、原価計算期間中の総製造費用を完成品と月末仕掛品に配分することができます。

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月末仕掛品の評価の具体例(月初仕掛品がない場合)

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価の具体例(月初仕掛品がない場合)

月末仕掛品の評価(月初仕掛品がない場合) の具体例についてお伝えします。

資料

  • 当月製造費用…2,600,000円(材料費…1,000,000円、加工費…1,600,000円)
  • 期間生産量…完成品60個、月末仕掛品40個(加工進捗度50%)
  1. 月初仕掛品はないものとする
  2. 材料は工程の始め(始点)に全て投入される

では、上の資料をもとに完成品原価と月末仕掛品原価を計算してみましょう。

考え方

総合原価計算では通常は原価要素を「材料費(直接材料費や素材費ということもあります)」と「加工費(労務費や経費など、材料費以外の原価要素)」の2つに分けて計算します。
材料は最初に全て投入されることが多い(加工進捗度に応じてだんだんと投入される場合や最後に全て投入される場合もありえます)のに対して、加工費は完成に向かって徐々に原価が増えていきます(上の資料でもそうなっています)。
図でイメージすると下のようになります(材料の100kg、加工進捗度の70%という数字は例です)。

暗記不要の簿記独学講座-材料費と加工費


このように原価の投入のされ方が違うので分けて考えることになります。

ちなみに、個別原価計算では原価を指図書別に集計するので直接材料費、直接労務費、直接経費などに分類しました。
総合原価計算では、原価の投入のされ方で区別する方が有意義なので材料費と加工費に分類します。

では、具体的に上の問題を解いてみましょう。
まずは材料費からです。
材料費は工程の始め(始点)に全て投入されているので、月末仕掛品1個あたりの材料費と完成品1個あたりの材料費は同じになります。
始めに全て投入されるということは加工進捗度(どれくらい加工が進んでいるか)は関係ないということだからです。

よって、月末仕掛品の完成品換算量は40個になります。

また、期間生産量(完成品換算総量)は(60個+40個=)100個となります。
この100個を作るための材料費が1,000,000円なので、完成品1個あたりの材料費は(1,000,000円÷100個=)10,000円となります。
完成品は60個なので、完成品に配分される材料費は(10,000円×60個=)600,000円となります。
月末仕掛品の完成品換算量は40個なので、月末仕掛品に配分される材料費は(10,000円×40個=)400,000円となります。

次は加工費です。
加工費は加工進捗度を考えなければなりません

月末仕掛品の加工進捗度は50%です。
40個の月末仕掛品が50%完成しているので、月末仕掛品の完成品換算総量は(40個×50%=)20個となります。
このことは40個のものが50%完成していることと20個のものが完成していることは同じだということを意味しています。
月末仕掛品を完成品と同じ単位で考えるために、このように月末仕掛品が完成品何個分なのかを考えることになります。

よって期間生産量(完成品換算総量)は(60個+20個=)80個となります(完成品は加工進捗度100%なので、そのまま60個となります)。
この80個を作るための加工費が1,600,000円なので、完成品1個あたりの加工費は(1,600,000円÷80個=)20,000円となります。
完成品は60個なので、完成品に配分される材料費は(20,000円×60個=)1,200,000円となります。
月末仕掛品の完成品換算量は20個なので、月末仕掛品に配分される材料費は(20,000円×20個=)400,000円となります。

いよいよ完成品原価と月末仕掛品原価を求めます。

解答

  • 完成品原価(1,800,000円)=完成品に配分される材料費(600,000円)+完成品に配分される加工費(1,200,000円)
  • 月末仕掛品原価(800,000円)=月末仕掛品に配分される材料費(400,000円)+月末仕掛品に配分される加工費(400,000円)

ボックス図

実際に問題を解くときにはボックス図を使って解きます。
上の問題をボックス図を使って整理すると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図


ボックスの右側の合計と左側の合計は必ず一致する(数量も金額も)ことを利用してボックス図を埋めていきます
そして、最終的には完成品原価と期末仕掛品原価を求めます。

実際に試験で問題を解くときには、このように正確に記入する必要はありません。
材料費を材、加工費を加、月末仕掛品を末、といったように省略することもあります。
自分にあった書き方を自分で見つけ出すことが大切です。

仕訳

上のボックス図に関する仕訳を示すと下のようになります。

材料費と加工費を仕掛品勘定に振り替える

(借)仕掛品 2,600,000/(貸)材料費 1,000,000
            /(貸)加工費 1,600,000

完成品原価を仕掛品勘定から製品勘定に振り替える

(借)製品 1,800,000/(貸)仕掛品 1,800,000

月末仕掛品原価である800,000円に関しては特に仕訳は切りません。
そのまま次月に繰り越されます。

工業簿記で仕訳の問題はあまり出題されませんが、仕訳は簿記では重要です。
学習するときにはときどき仕訳を確認するといいです。
ボックス図をしっかりと書ければ仕訳は切ることができます。

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月末仕掛品の評価(月初仕掛品がある場合)

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(月初仕掛品がある場合)

月末仕掛品の評価(月初仕掛品がある場合)についてお伝えします。

月末仕掛品の評価(月初仕掛品がある場合)

月初仕掛品がない場合 は、完成品原価と月末仕掛品の配分だけなので単純でした。
しかし月初仕掛品がある場合は少々複雑です。
月初仕掛品をどのように扱うかで月末仕掛品原価が変わってくるからです。

月初仕掛品が存在する場合は、月初仕掛品をどのように扱うかによって以下の2つの評価方法があります。

  • 先入先出法…月初仕掛品から先に完成していくと考える評価方法
  • 平均法…月初仕掛品も当期に製造を開始した仕掛品も平均的に完成していくと考える評価方法

次回以降、先入先出法と平均法について詳しくお伝えしていきます。

ちなみに後入先出法という、当期に製造を開始した仕掛品から先に完成していくと考える評価方法もないことはないですが、検定試験では出題されないので割愛します。

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月末仕掛品の評価(先入先出法)

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(先入先出法)

月末仕掛品の評価 (先入先出法)についてお伝えします。

月末仕掛品の評価(先入先出法)

先入先出法は月初仕掛品を先に加工して完成させ、そのあとで当月投入分の加工を始めるとみなして月末仕掛品原価を計算する方法です。
よって、先入先出法の計算の流れは下のようになります。

  1. 月初仕掛品原価は全て完成品原価に算入する
  2. 当期製造費用を当期に製造を開始した分の完成品(完成品数量-月初仕掛品数量)と期末仕掛品に配分する
  3. 完成品原価と月末仕掛品原価を計算する

計算式は下のようになります(材料は始点投入の場合です)。

  • 月末仕掛品材料費=当月材料費÷(完成品数量+月末仕掛品数量-月初仕掛品数量)×月末仕掛品数量
  • 月末仕掛品加工費=当月加工費÷(完成品数量+月末仕掛品数量×加工進捗度-月初仕掛品数量×加工進捗度)×月初仕掛品数量×加工進捗度
  • 月末仕掛品原価=月末仕掛品材料費+月末仕掛品加工費

(材料が製造の進行に応じて投入される場合は月末仕掛品材料費の計算式は月末仕掛品加工費の計算式と同じになります)

この計算式は覚えるものではありません(一応書いただけです)。
考え方をしっかりと理解すれば覚えなくても解答できます。
覚えずに解答できるようにしてください。

ボックス図での考え方

ボックス図で先入先出法を考えると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図2

ここで理解しておいてほしいところは月末仕掛品は当月製造費用だけで計算されるということです。
月初仕掛品は全て当月完成品原価になっているので、月末仕掛品に月初仕掛品が入ることはありません

この考え方が、「当期製造費用を当期に製造を開始した分の完成品(完成品数量-月初仕掛品数量)と期末仕掛品に配分する」という考え方につながります。

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月末仕掛品の評価(先入先出法)の具体例

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(先入先出法)の具体例

月末仕掛品の評価(先入先出法) の具体例についてお伝えします。

資料

1.生産データ

  月初仕掛品 500個(40%)
  当月投入  2,500個
  計     3,000個
  月末仕掛品 600個(50%)
  完成品   2,400個

  カッコ内の数字は加工進捗度を示している。
  材料は始点投入である。

2.原価データ


材料費 加工費
月初仕掛品 \500,000 \200,000
当月製造費用 \1,250,000 \1,000,000
\1,750,000 \1,200,000

この資料をもとに完成品原価と月末仕掛品原価を求めてみましょう。

考え方

まずボックス図を作っていきましょう。
この資料から分かる数字を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図3

次に、月初仕掛品に含まれる加工費と月末仕掛品に含まれる加工費を求めましょう。

月初仕掛品に含まれる加工費(200個)=月初仕掛品数量(500円)×月初仕掛品加工進捗度(40%)
月末仕掛品に含まれる加工費(300個)=月末仕掛品数量(600円)×月末仕掛品加工進捗度(50%)

そして、加工費の当月投入量を求めましょう。
ボックスの左側の数字と右側の数字が同じになることに注目して求めます

加工費の当月投入量(2,500個)=完成品(2,500個)+月末仕掛品(300個)-月初仕掛品(200個)

これらの数値を記入したボックス図は下のようになります。
暗記不要の簿記独学講座-ボックス図4
これで個数に関しては全て求まりました。
あとは金額だけです。
月末仕掛品の金額を求めます。

月末仕掛品材料費(300,000円)=当月投入材料費(1,250,000円)÷当月投入材料数量(2,500個)×月末仕掛品材料数量(600個)
月末仕掛品加工費(120,000円)=当月投入加工費(1,000,000円)÷当月投入加工費完成品換算数量(2,500個)×月末仕掛品加工費完成品換算数量(300個)

となります。
当月投入した材料費(加工費)を当月投入した数量で割ることで1個あたりの材料費(加工費)を計算します。
そして、その1個あたりの材料費(加工費)に月末仕掛品数量をかけることで月末仕掛品材料費(加工費)を計算します。

計算式を覚えるのではなく、何を計算しているのかをきちんと理解することが重要です。

ここまで記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図5

あとは完成品原価のみです。
ボックスの左側の数字と右側の数字が同じになることに注目して求めます

完成品材料費(1,450,000円)=月初仕掛品材料費(500,000円)+当月投入材料費(1,250,000円)-月末仕掛品材料費(300,000円)
完成品加工費(1,080,000円)=月初仕掛品加工費(200,000円)+当月投入加工費(1,000,000円)-月末仕掛品加工費(120,000円)

これらの数値を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図6

あとは解答だけです。

解答

  • 完成品原価(2,530,000円)=完成品材料費(1,450,000円)+完成品加工費(1,080,000円)
  • 月末仕掛品原価(420,000円)=月末仕掛品材料費(300,000円)+月末仕掛品加工費(120,000円)

ちなみに総合原価計算表を作った場合は下のようになります(単価は割り切れないものは四捨五入しています)。

暗記不要の簿記独学講座-総合原価計算表

総合原価計算表は、総合原価計算の計算結果を表で表したものです。
加工費の数量は完成品換算数量を記入します。
ボックス図がきちんと作れれば総合原価計算表も作れるので特に心配はいりません。

仕訳

上のボックス図に関する仕訳を示すと下のようになります。

材料費と加工費を仕掛品勘定に振り替える

(借)仕掛品 2,250,000/(貸)材料費 1,250,000
            /(貸)加工費 1,000,000

完成品原価を仕掛品勘定から製品勘定に振り替える

(借)製品 2,5300,000/(貸)仕掛品 2,530,000

月末仕掛品原価である420,000円に関しては特に仕訳は切りません。
そのまま次月に繰り越されます。

工業簿記で仕訳の問題はあまり出題されませんが、仕訳は簿記では重要です。
学習するときにはときどき仕訳を確認するといいです。
ボックス図をしっかりと書ければ仕訳は切ることができます

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月末仕掛品の評価(平均法)

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(平均法)

月末仕掛品の評価 (平均法)についてお伝えします。

月末仕掛品の評価(平均法)

平均法は月初仕掛品と当月投入分を区別なく加工するとみなして月末仕掛品原価を計算する方法です。
月初仕掛品原価を前月に作ったものとして考えず、これを当月に製造を開始し、当月発生した原価であるとみなして計算する方法だとも言えます。

平均法の計算の流れは下のようになります。

  1. 月初仕掛品原価と当月製造費用を合計して総製造費用を計算する
  2. 総製造費用を完成品数量と月末仕掛品の完成品換算数量に配分する

計算式は下のようになります(材料は始点投入の場合です)。

  • 月末仕掛品材料費=(月初仕掛品材料費+当月材料費)÷(完成品数量+月末仕掛品数量)×月末仕掛品数量
  • 月末仕掛品加工費=(月初仕掛品加工費+当月加工費)÷(完成品数量+月末仕掛品数量×加工進捗度)×月初仕掛品数量×加工進捗度
  • 月末仕掛品原価=月末仕掛品材料費+月末仕掛品加工費

(材料が製造の進行に応じて投入される場合は月末仕掛品材料費は月末仕掛品加工費の計算式と同じになります)

この計算式は覚えるものではありません(一応書いただけです)。
考え方をしっかりと理解すれば覚えなくても解答できます。
覚えずに解答できるようにしてください。

ボックス図での考え方

ボックス図で平均法を考えると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図7

ここで理解しておいてほしいところは月末仕掛品は月初仕掛品と当月製造費用の両方で計算されるということです。
平均法では月初仕掛品と当月製造費用を区別しません

この考え方が、月初仕掛品原価と当月製造費用を合計して総製造費用を計算するという考え方につながります。

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月末仕掛品の評価(平均法)の具体例

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >月末仕掛品の評価(平均法)の具体例

月末仕掛品の評価 (平均法)の具体例についてお伝えします。

資料

1.生産データ

  月初仕掛品 500個(40%)
  当月投入  2,500個
  計     3,000個
  月末仕掛品 600個(50%)
  完成品   2,400個

  カッコ内の数字は加工進捗度を示している。
  材料は始点投入である。

2.原価データ


材料費 加工費
月初仕掛品 \550,000 \350,000
当月製造費用 \1,250,000 \1,000,000
\1,800,000 \1,350,000

この資料をもとに完成品原価と月末仕掛品原価を求めてみましょう。

考え方

まずボックス図を作っていきましょう。
この資料から分かる数字を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図8

次に、月初仕掛品に含まれる加工費と月末仕掛品に含まれる加工費を求めましょう。

  • 月初仕掛品に含まれる加工費(200個)=月初仕掛品数量(500円)×月初仕掛品加工進捗度(40%)
  • 月末仕掛品に含まれる加工費(300個)=月末仕掛品数量(600円)×月末仕掛品加工進捗度(50%)

これらの数値を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図9

次に、加工費の当月投入量を求めましょう。
ボックスの左側の数字と右側の数字が同じになることに注目して求めます。

加工費の当月投入量(2,500個)=完成品(2,500個)+月末仕掛品(300個)-月初仕掛品(200個)

これらの数値を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図10

これで個数に関しては全て求まりました。
あとは金額だけです。
月末仕掛品の金額を求めます。

  • 月末仕掛品材料費(360,000円)={月初仕掛品材料費(550,000円)+当月投入材料費(1,250,000円)}÷{月初仕掛品材料数量(500個)+当月投入材料数量(2,500個)}×月末仕掛品材料数量(600個)
  • 月末仕掛品加工費(150,000円)={月初仕掛品加工費(350,000円)+当月投入加工費(1,000,000円)}÷{月初仕掛品加工費数量(200個)+当月投入加工費完成品換算数量(2,500個)}×月末仕掛品加工費完成品換算数量(300個)

となります。
ボックス図全体の金額をボックス図全体の数量で割ることで1個あたりの材料費(または加工費)を計算します。
そして、その1個あたりの材料費(または加工費)に月末仕掛品数量をかけることで月末仕掛品材料費(加工費)を計算します。
平均法では月初仕掛品と当月製造費用を区別しないところに特徴があります

計算式を覚えるのではなく、何を計算しているのかをきちんと理解することが重要です。

ここまで記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図11

あとは完成品原価のみです。
ボックスの左側の数字と右側の数字が同じになることに注目して求めます。

  • 完成品材料費(1,440,000円)=月初仕掛品材料費(550,000円)+当月投入材料費(1,250,000円)-月末仕掛品材料費(360,000円)
  • 完成品加工費(1,200,000円)=月初仕掛品加工費(350,000円)+当月投入加工費(1,000,000円)-月末仕掛品加工費(150,000円)

これらの数値を記入したボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図12

あとは解答だけです。

解答

  • 完成品原価(2,640,000円)=完成品材料費(1,440,000円)+完成品加工費(1,200,000円)
  • 月末仕掛品原価(510,000円)=月末仕掛品材料費(360,000円)+月末仕掛品加工費(150,000円)

ちなみに総合原価計算表を作った場合は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-総合原価計算表2

総合原価計算表は、総合原価計算の計算結果を表で表したものです。
加工費の数量は完成品換算数量を記入します。
ボックス図がきちんと作れれば総合原価計算表も作れるので特に心配はいりません。

仕訳

上のボックス図に関する仕訳を示すと下のようになります。

材料費と加工費を仕掛品勘定に振り替える

(借)仕掛品 2,250,000/(貸)材料費 1,250,000
            /(貸)加工費 1,000,000

完成品原価を仕掛品勘定から製品勘定に振り替える

(借)製品 2,6400,000/(貸)仕掛品 2,640,000

月末仕掛品原価である510,000円に関しては特に仕訳は切りません。
そのまま次月に繰り越されます。

工業簿記で仕訳の問題はあまり出題されませんが、仕訳は簿記では重要です。
学習するときにはときどき仕訳を確認するといいです。
ボックス図をしっかりと書ければ仕訳は切ることができます。

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総合原価計算の種類

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >総合原価計算の種類

総合原価計算の種類についてお伝えします。

総合原価計算の種類

総合原価計算はどのような製品を製造するのかによって次の3つに分類することができます。

  • 単純総合原価計算
  • 組別総合原価計算
  • 等級別総合原価計算

以下詳しくお伝えします。

単純総合原価計算

同じ種類の製品を大量に生産する場合に適用する総合原価計算を単純総合原価計算といいます
全く同じ製品を作ると考えてもらってかまいません。
最も単純な総合原価計算です。

組別総合原価計算

異なる製品を大量に製造する場合に適用する総合原価計算を組別総合原価計算といいます
トラックと乗用車を製造している場合などが組別総合原価計算にあてはまります。

等級別総合原価計算

同じ種類だけど大きさや規格が違う製品を同一工程で製造する場合に適用する総合原価計算を等級別総合原価計算といいます
SサイズとMサイズとLサイズの服を作っている場合などが等級別総合原価計算にあてはまります。

総合原価計算は工程別に原価を計算するかどうかによっても次の2つに分類することができます。

  • 単一工程総合原価計算…工程が1つ
  • 工程別総合原価計算…工程が2つ以上

これらをまとめると以下の6つになります。


単一工程総合原価計算 工程別総合原価計算
単純総合原価計算 単一工程単純総合原価計算 工程別単純総合原価計算
組別総合原価計算 単一工程組別総合原価計算 工程別組別総合原価計算
等級別総合原価計算 単一工程等級別総合原価計算 工程別等級別総合原価計算

この中で最も単純な単一工程単純総合原価計算からお伝えしていきます。

単一工程単純総合原価計算

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >単一工程単純総合原価計算

単一工程単純総合原価計算についてお伝えします。

単一工程単純総合原価計算

単一工程単純総合原価計算は、同じ種類の製品を(単純総合原価計算)1つの工程で(単一工程総合原価計算)大量生産する企業で適用される総合原価計算です

単一工程単純総合原価計算を勘定連絡図で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-勘定連絡図12

これまで学習してきた総合原価計算は単一工程単純総合原価計算です。

工程別総合原価計算

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簿記(TOP) >工業簿記2級 >工程別総合原価計算

工程別総合原価計算についてお伝えします。

工程別総合原価計算

工程別総合原価計算は、製品が2つ以上の製造工程で大量生産されるような企業で使われる総合原価計算です。
工程とは、個別原価計算の部門別計算で出てきた「切削部門」「組立部門」のような部門と似たようなものです。

ただし、個別原価計算と総合原価計算では、計算対象となる原価が違います。

計算対象となる原価

個別原価計算の部門別計算と総合原価計算の工程別計算は似てはいるのですが、計算対象となる原価が違います。
個別原価計算では、製造間接費のみを部門別に計算します(直接労務費と製造間接費を分けられない場合には直接労務費と製造間接費を部門別に計算しますが、例外です)。
総合原価計算では、全ての原価要素を工程別に計算します(加工費のみを工程別に計算する場合もありますが、簿記1級での学習内容です)。

表でまとめると下のようになります。


部門(工程)に集計される原価の範囲
個別原価計算 製造間接費のみ(例外:直接労務費+製造間接費)
総合原価計算 全ての原価要素(例外:加工費のみ)

工程別総合原価計算の計算手順

工程別総合原価計算の計算手順は下のようになります。

  1. 各工程の原価要素を集計する
  2. 第1工程の原価計算を行い、完成品原価を計算する
  3. 第1工程の完成品原価を第2工程に振り替える
  4. 振り替えられた第1工程の完成品原価を第2工程で前工程費として第2工程の原価計算を行う

ちなみにこの計算手順は第1工程の完成品原価を第2工程に振り替えることで原価が積み重なっていくことから累加法と呼ばれています。
非累加法という方法もありますが、簿記1級の範囲なので割愛します。

工程別総合原価計算のイメージ

工程別総合原価計算を図で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-工程別総合原価計算

前工程費は第1工程で100%の加工が完了しています。
よって、第2工程では計算上、始点投入の材料と同じになります。
前工程費の計算においては加工進捗度は全く考えないということです。

ちなみに単純総合原価計算は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-単純総合原価計算

違いをしっかりと理解しておくことが重要です。

工程別総合原価計算の勘定連絡図

工程別総合原価計算の勘定連絡図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-勘定連絡図13

原価の流れをきちんとイメージしておくことが重要です。

工程別総合原価計算の具体例

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工程別総合原価計算 の具体例についてお伝えします。

資料

1.生産データ

         第1工程     第2工程
月初仕掛品  600個 (50%)  1,000個(30%)
当月投入量 5,400個      5,000個
合計      6,000個   6,000個
月末仕掛品 1,000個(80%)  800個(50%)
完成品    5,000個      5,200個

  • 第1工程の材料は始点投入である。
  • カッコ内は加工進捗度を表す。
  • 原価配分方法は平均法である。
  • 工程別総合原価計算の計算方法は累加法とする。
  • 工程に集計される原価の範囲は全原価要素とする。

2.原価データ

  • 第1工程月初仕掛品:材料費…400,000円、加工費…150,000円
  • 第2工程月初仕掛品:前工程費…800,000円、加工費…180,000円
  • 当月製造費用:材料費…2,600,000円、第1工程加工費1,590,000円、第2工程加工費…2,620,000円

この資料をもとに、完成品原価と第1工程仕掛品と第2工程仕掛品を求めてみましょう。

考え方

まずボックス図を作っていきましょう。
工程別総合原価計算のボックス図は全てを一気に作ってもいいのですが、ここでは第1工程から順番に作っていきます。
この資料から分かる数字を記入した第1工程のボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図13

ここまでは単純総合原価計算と同じです。

次に、第1工程の完成品原価4,000,000円を第2工程の前工程費に振り替えます。
その上で第2工程費のボックス図を作ると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図14

作り方、考え方は第1工程のボックス図と変わりません。
材料費が前工程費と名前が変わっているだけです。
当月投入の前工程費の金額と数量が第1工程の完成品から振り替えられてきているというところだけが新しい考え方です。
ここではこの考え方さえ身につければきちんと解答できます。

解答

  • 完成品原価(6,760,000円)=完成品前工程費(4,160,000円)+完成品加工費(2,600,000円)
  • 第1工程仕掛品(740,000円)=第1工程仕掛品材料費(500,000円)+第1工程仕掛品加工費(240,000円)
  • 第2工程仕掛品(840,000円)=第2工程仕掛品前工程費(640,000円)+第2工程仕掛品加工費(200,000円)

ここでは平均法での具体例となりましたが、先入先出法でも工程別総合原価計算の考え方は変わりません。

仕訳

上のボックス図に関する仕訳を示すと下のようになります。

材料費と加工費を第1工程仕掛品勘定に振り替える

(借)第1工程仕掛品 4,190,000/(貸)材料費 2,600,000
               /(貸)加工費 1,590,000

第1工程の完成品原価を第2工程に振り替える

(借)第2工程仕掛品 4,000,000/(貸)第1工程仕掛品 4,000,000

材料費と加工費を第2工程仕掛品勘定に振り替える

(借)第2工程仕掛品 2,620,000/(貸)加工費 2,620,000

完成品原価を第2工程仕掛品勘定から製品勘定に振り替える

(借)製品 6,7600,000/(貸)第2工程仕掛品 6,760,000

月末第1工程仕掛品原価である740,000円と月末第2工程仕掛品原価である840,000円に関しては特に仕訳は切りません。
そのまま次月に繰り越されます。

工業簿記で仕訳の問題はあまり出題されませんが、仕訳は簿記では重要です。
学習するときにはときどき仕訳を確認するといいです。
ボックス図をしっかりと書ければ仕訳は切ることができます。

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組別総合原価計算

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組別総合原価計算についてお伝えします。

組別総合原価計算

組別総合原価計算は異なる製品を大量に製造する場合に適用する総合原価計算です
トラックと乗用車を製造している場合などが組別総合原価計算にあてはまります。

組別総合原価計算では、原価計算期間の原価要素を組直接費と組間接費とに分け、組直接費は各製品に賦課、組間接費は各製品に配賦します
組間接費の配賦は製造間接費と同じように配賦します(組別総合原価計算は組間接費の配賦がポイントになります)。

組直接費の賦課と組間接費の配賦を行うと各組に原価が集計されます。
集計されたあとは、単純総合原価計算と同じように各組ごとに月末仕掛品の評価を行います。

組別総合原価計算の勘定連絡図

組別総合原価計算の勘定連絡図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-勘定連絡図14


組別総合原価計算の原価の流れをしっかりとイメージしておいてください。

組別総合原価計算の具体例

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組別総合原価計算 の具体例についてお伝えします。

資料

  1. 組間接費は300,000円であり、組直接加工費を基準として配賦する。
  2. 材料は全て製造着手のときに投入される(始点投入)。
  3. 生産データ
    • 当月完成品数量 A組:450個,B組:300個
    • 月末仕掛品数量 A組:50個(40%),B組:50個(60%)
  4. カッコ内の数値は完成度(加工進捗度)を表している。
  5. 月末仕掛品の評価は平均法による。

これらの資料をもとに、下の組別総合原価計算表を作成してみましょう。
暗記不要の簿記独学講座-組別総合原価計算表

考え方

まずは組間接費の配賦です。
組間接費300,000円を組直接加工費(A組400,000円、B組200,000円)を基準として配賦します。
よって、それぞれの組の組間接費は、

  • A組の組間接費(200,000円)=組間接費(300,000円)÷組直接加工費全体(400,000円+200,000円)×A組直接加工費(400,000円)
  • B組の組間接費(100,000円)=組間接費(300,000円)÷組直接加工費全体(400,000円+200,000円)×B組直接加工費(200,000円)

となります。
製造間接費の配賦と考え方は全く同じです。

次に、これまでの金額の合計を上から2つめの計の段まで埋めると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-組別総合原価計算表2

ここからが少々大変です。
月末仕掛品の評価は「A組の材料費」「A組の加工費」「B組の材料費」「B組の加工費」の4つを計算しなければなりません。
一つずつ計算していきます。

  • A組の材料費(100,000円)=A組の全ての材料費の金額(800,000円+200,000円)÷A組の全ての材料費の数量(450個+50個)×月末仕掛品数量(50個)
  • A組の加工費(32,000円)=A組の全ての加工費の金額(400,000円+200,000円+152,000円)÷A組の全ての加工費の完成品換算数量(450個+50個×40%)×月末仕掛品数量(50個×40%)
  • B組の材料費(100,000円)=B組の全ての材料費の金額(600,000円+100,000円)÷B組の全ての材料費の数量(300個+50個)×月末仕掛品数量(50個)
  • B組の加工費(30,000円)=B組の全ての加工費の金額(200,000円+100,000円+30,000円)÷B組の全ての加工費の完成品換算数量(300個+50個×60%)×月末仕掛品数量(50個×60%)

組間接費配賦高は加工費に含めて計算します
材料費は直接材料費、加工費は直接材料費以外の原価要素(補助材料費も含みます)という形で材料費と加工費を分けているからです。

次に完成品原価と完成品単価を求めます。

  • A組の完成品原価(1,620,000円)=A組の月初仕掛品と当月投入の合計(1,752,000円)-月末仕掛品(100,000円+32,000円)
  • B組の完成品原価(900,000円)=B組の月初仕掛品と当月投入の合計(1,030,000円)-月末仕掛品(100,000円+30,000円)
  • A組の完成品単価(3,600円/個)=A組の完成品原価(1,620,000円)÷A組の完成品数量(450個)
  • B組の完成品単価(3,000円/個)=B組の完成品原価(900,000円)÷A組の完成品数量(300個)

ここまで分かればあとは組別総合原価計算表を埋めるだけです。

解答


暗記不要の簿記独学講座-組別総合原価計算表3
この問題は月初仕掛品数量と当期投入量が書かれていませんが、平均法の場合は月初仕掛品数量と当期投入量を分ける必要はないので、完成品数量と月末仕掛品数量さえ分かっていれば解答できます。
ボックス図の右側の数量だけで解答できるということです。

なお、ここではボックス図は作っていません。
組別総合原価計算表はボックス図を形を変えて書いたものなので、慣れてくれば組別総合原価計算表のみで解答できます。
慣れるまではボックス図を描いてもいいと思います。

ちなみに、ボックス図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-ボックス図15

ボックス図の左側の数量が空欄なのは、問題文の資料からは分からないからです。
平均法の場合は月初仕掛品原価と当月製造原価を区別しないため、この部分が分からなくても解答できます。

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等級別総合原価計算

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等級別総合原価計算についてお伝えします。

等級別総合原価計算

同じ種類だけど大きさや規格が違う製品を同一工程で製造する場合に適用する総合原価計算を等級別総合原価計算といいます
SサイズとMサイズとLサイズの服を作っている場合などが等級別総合原価計算にあてはまります。

等級別原価計算は、同じ工程で同じ材料を使用して同じ種類の製品を大量生産しています。
しかし、その製品の「形」「大きさ」「重さ」「階級」などによって等級に区別できる製品(等級品)を製造する企業で使う総合原価計算です。
できる製品そのものが違う場合に使う組別原価計算とはこの点が異なります。

等級別総合原価計算では、各等級品について等価係数というものを決めます

等価係数とは、等級が違う製品の生産量の単位をそろえるためのものです。
月末仕掛品を完成品に換算する場合に使用する加工進捗度と考え方は似ています。

等価係数に各等級品の生産量をかけて求めた数の比で原価計算期間の完成品総合原価を配分することで各等級品の完成品原価を求めます

等級別総合原価計算の勘定連絡図

等級別総合原価計算の勘定連絡図は下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-勘定連絡図15

仕掛品勘定までは同じで、そこから等級別に分かれるのが特徴です。
製品完成後に分かれることになります。
それに対して組別総合原価計算では仕掛品勘定の時点で組別に分かれます。

原価の流れをイメージしておくことが大切です。

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等級別総合原価計算の具体例

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等級別総合原価計算の具体例についてお伝えします。

資料

  1. 生産データ(完成品:1級品…100個,2級品…200個)
  2. 原価データ(完成品総合原価:1,600,000円)
  3. 等価係数(1級品:1.2,2級品:1.0)
  • 期首仕掛品及び期末仕掛品はないものとする

これらの資料をもとに下の等級別総合原価計算表を作ってみましょう。
暗記不要の簿記独学講座-等級別総合原価計算表

考え方

まずは積数の欄から埋めましょう。
積数とは等価係数に各等価級数の生産量をかけて求めた数のことで、完成品原価をどのような比率で配分するのかを表します

  • 1級品の積数(120)=等価係数(1.2)×生産量(100個)
  • 2級品の積数(200)=等価係数(1.0)×生産量(200個)

次に完成品総合原価を積数の比で配分します。

  • 1級品の完成品原価(600,000円)=完成品総合原価(1,600,000円)÷積数の合計(320)×1級品の積数(120)
  • 2級品の完成品原価(1,000,000円)=完成品総合原価(1,600,000円)÷積数の合計(320)×2級品の積数(200)

あとは、それぞれの完成品原価を生産量で割って単価を求めます。

  • 1級品の完成品単価(6,000円)=1級品の完成品原価(600,000円)÷1級品の生産量(100個)
  • 2級品の完成品単価(5,000円)=2級品の完成品原価(1,000,000円)÷2級品の生産量(200個)

これらの数値を等級別総合原価計算表に記入すれば解答になります。

解答


暗記不要の簿記独学講座-等級別総合原価計算表2
1級品の完成品単価と2級品の完成品単価の比は等価係数の比と同じになります

  • 6,000円:5,000円=1.2:1.0

これは、そもそも等価係数が完成品単価の比を表すものだからです。
等級別総合原価計算は完成品単価の比が等価係数と同じになるように完成品総合原価を各製品に配分する方法だといえます。

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